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【ミャンマー商標】新制度の施行時、旧制度で登録された商標に関して対応すべきこと

Photo by farfar on Unsplash


東南アジアのミャンマーにおいて、新たな商標制度の施行が予定されていることはご存知でしょうか?

2019年1月に、新制度に関する法案が国会審議、大統領署名を受けて成立しました。

旧制度に代わるミャンマーでの本格的な知財保護制度の整備が期待される一方で、法案の成立から実際に施行が開始されるまでには、さらに1年程度要する(その場合、2019年末~2020年初に施行か)可能性があるとも言われています。

※法案の成立経緯や詳細な内容については、「ミャンマー知的財産権制度の最新状況」(工業所有権情報・研修館、2019年6月)をご確認ください。
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17449/


このたび、弊社と提携する韓国の YOUME特許法人より、ミャンマー新商標制度に関する最新情報を入手しました。

特に東南アジア諸国でビジネスを展開される皆様にとって関心の高い情報であると思われますので、早速共有させていただきます。


ミャンマーの新たな商標登録制度の導入

ミャンマーには、他国のような正式な商標登録制度がありません。これまでは「Office for Registration of Deeds(登記所)」に商標所有権宣言を提出してこれを登録(登記)し、新聞などの媒体に約3年毎に「Cautionary Notice(警告通知)」を掲載する方式で商標を保護してきました。

しかし、新たな商標登録制度が導入される予定です。

新たな商標制度では、他国の一般的な制度のような「First-to-file System(先出願主義)」が導入されます。商標登録の存続期間は10年であり、これは10年ずつ更新が可能となります。


ミャンマーの新たな商標登録制度ニュースのアップデート

旧制度下で登録された商標の場合にも、新商標制度下で権利の保護を受けるためには新たに出願を行わなければなりません。

旧制度下で既に商標登録を受けた権利者のためにのみ、優先的にミャンマーの新制度下で、オンラインre-filingシステム2019年12月または2020年1月にオープンを予定しています。

これは6ヶ月間のsoft openingで、専ら旧制度下で登録された件に対してのみ再登録出願を受け入れ新たな出願は受け入れません

新制度下で既存の登録商標を補正および変更(名称・住所の変更など)する申請は、grand opening後に可能となり、grand openingの時期はまだ発表されていない状態ですが、2020年下半期と予想されます。


soft opening期間中の旧登録のre-filingのためには、以下の事項/書類が必要となります。

  • 商標見本
  • 権利者の名称及び住所
  • 商品分類及び指定商品/サービス(旧制度下で登録されたものと同一でなければならない)
  •  優先権主張及び立証書類
  • 商標の色彩主張情報
  • 旧制度下の商標所有権宣言または更新登録の写し
  • ミャンマーで既に商標を使用した場合は、最初の使用日と使用立証書類


一方、提出されたre-filingは、旧制度下で登録された以下の情報と一致しなければなりません。

  • 登録された商標
  • 登録された権利者の名称及び住所
  • 登録された分類と商品/サービス
  • 登録番号及び登録日


新商標制度への対応方法

上記のようなミャンマー新制度の新たなニュース、そして現地代理人の提案などに基づき、以下のような準備や対応をおすすめします。


  1. ミャンマーの登録商標を保有している場合には、soft opening期間に再登録をおすすめします。
  2. ミャンマーの登録商標の権利者の名称・住所が、実際の現在の自社の名称・住所と異なる場合には、soft opening前に迅速に名称・住所の変更手続きを行うことをおすすめします。
  3. ミャンマーが「First-to-file System(先出願主義)」を導入することに伴い、初期には多数の商標の先占があると予想され、今後商標出願する際に登録が困難な状況が発生する可能性があります。したがいまして、まだミャンマーに登録していない商標がある場合には、新制度のsoft openingの前に、迅速に旧制度下で登録しておき、soft opening期間に再登録して商標を先占することをご提案します。


以上につきまして、ご不明な点などがございましたら、ご遠慮なくお知らせ下さい。

私たちは、持続的に海外の商標制度の変化に対して関心を持ち、皆様の海外商標権の適切な保護のために努力してまいります。また制度の変化によってご対応が必要と判断される場合には、迅速にご案内させていただきます。



ロジック・マイスターでは、マイスター・グループとして海外における商標・知的財産の出願をご支援させていただいています。

より詳しい情報はサービスについてをご覧ください!


協力:YOU ME 特許法人


ロジック・マイスター 編集部

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