知識産権局の再編、専利法・審査指南の改正 中国知財最前線セミナー
2018/9/6(木)、中国より北京商専永信特許事務所(INTELIGHT IP、旧名SBZL IP)の皆様が来日し、大阪でセミナーを開催しました!
今回は「少数知財研究会」として定期的に勉強会を開催している、10数社の知財部の方々にお集まりいただき、中国知財に関する最新の情報を共有しました。
左から、靳満堂 弁理士、欧陽石文 弁理士、譚喬莎 通訳者、阴亮 弁護士
中国では知財制度改革の動きが進められています。
まず、中国知識産権局は現在、知的財産のうち特許(専利)・実用新案(実用新型)・意匠を管轄していますが、今後は商標などを所管に加えることでより「知識産権局」という名前にふさわしい組織へと拡大していく予定とのことです。
また特許法(専利法)の改正案も発表され、全人代での審議が始まるとのことでした。
欧陽氏(右側)は2018年にSBZLに入所する以前、中国知識産権局にて審査官・審査長を務めていた
また講義では、請求項の補正や分割出願、実用新案の新規性審査といった、中国の特許出願手続きにおいて気をつけるべきポイントが示されました。
つい先日まで審査長として特許審査を行っていた欧陽氏ならではの、新鮮な情報もいろいろと出てきて非常に興味深い講義となりました。
特に面白かった話としては、中国では審査時に一発で特許査定を出すことはほぼなく、慣例的に1回はなにかしら理由をつけて拒絶を出すそうです。
そこで、実体審査では十分に特許になりうる内容と思われる出願の場合は、形式的な(審査官が拒絶理由を出しやすいような)つっこみどころを用意しておくとよいとのことでした。
靳氏(左側)は商標弁理士で日本語も堪能、阴氏は弁護士・弁理士の資格を持ち訴訟を担当している
質疑応答では特許だけでなく商標についても、活発な質問や議論が続きました。
それだけ中国での知財保護に注目する企業が増え、関心が高まっていることが伺えました。
私たちロジック・マイスターでは今後も、中国をはじめとした外国特許事務所とのパートナーシップを最大限に活かし、鮮度の高い情報を皆様にお届けできるよう企画してまいります。
ご興味のある方はぜひ、お気軽にご連絡ください!
協力:北京商専永信特許事務所(INTELIGHT IP LAW FIRM)