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特許調査とは?特許担当者なら押さえておきたい4つの基本事項をおさらい

知的財産部門に配属され、特許担当者として仕事をすることになれば、避けては通れないのが「特許調査」という業務です。

しかし特許を調べるとはいったものの、実際にはどんなことをすればよいのでしょうか?

ここでは、特許調査というものにはじめて触れる方にも頭に入れていただきたい、4つの基本的な情報をおさらいしていきます。


目次

  1. そもそも特許調査とは
  2. 特許調査の目的
  3. 特許調査の種類
  4. 特許調査の方法


そもそも特許調査とは

そもそもの話なのですが、知財・特許関係者の方以外では一般的に、「特許調査」と聞いてその内容が具体的にイメージできる人、というのはほとんどいないのではないでしょうか。


自己紹介などでよくある質問に、「どんな仕事をしていますか」というものがあります。

ところが、そこで「特許調査をやっている会社で働いてまして」といっても、相手が「なるほど」となったためしがありません。ほぼ間違いなく、「え、特許?ああ、特許ですか~…の、何ですって?調査?ふーん…」と、ピンときていないお顔になります。

「え、じゃあ特許を取ったりするんですか?」「いやそれは弁理士という専門の職業が別にあってですね、うちは違くて、特許を調べるんですけど…」「???」という感じで、だんだんとお互いに面倒な感じに。

特許という存在自体、世の中の多くの人にとっては縁遠い存在で、ましてやそれを調査すると言われても一体どのようなことなのか想像がつきにくいものです。


特許調査とは、何をすることを指しているのでしょうか。

5W1Hに沿ってまとめると、次のように表すことができます。


「誰が、いつ、どこで、なぜ、何を、どのように」特許を出しているかを調べること


各部分には、例えば次の要素が当てはまります。


誰が(who)
出願人、権利者
いつ(when)
出願日、公開日、登録日
どこで(where)
出願国
何を(what)
特許の内容
なぜ(why)
知財戦略、事業戦略
どのように(how)
出願件数、技術分野、etc.


特許調査では、特許にまつわるこうした様々な情報を調べていくことになります。

各業界のメーカーが持つ知財部門や研究開発部門、また特許事務所や大学などで特許調査が行われており、知財担当者に限らず開発者や研究者など様々な立場の方が日々、特許を調べているわけです。

私たちのような特許調査会社はその中でも、特許調査の業務を専門で請け負っている企業ということになります。


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​​​​​​​



特許調査の目的:なんのために行うのか?

特許調査とは、なんのために行うものなのでしょうか。

この部分を先に明確にしておくことは、非常に重要です。目的を見失ったままで闇雲に調査に取り掛かってしまうと、よい結果は得られなくなります。

特許調査にはその調査案件ごとに様々な目的があるはずですが、どんな調査であっても次のどちらかの大きな目的を有しているのではないでしょうか。

・自社の事業に活かすことのできる有益な情報を入手するため
・自社にとって障害となる可能性のある特許の存在を把握するため

前者は、たとえば自社でより強力な特許を取ることができるか検討するとき、あるいは自社がこれから力を入れるべき事業分野を決定するときに必要な情報をこれまでに公開されている特許情報から得たい、という場合です。

一方で、将来自社のビジネスを発展させていこうとしたときに、その邪魔になるような特許をすでに他社が持っているかもしれません。そういった情報をあらかじめ把握しておくことも大変有意義です。

特許調査を正しく行えば、上のような目的が達成できるというわけで、特許情報にはそれだけの価値が詰まっているといえるでしょう。

特許調査の種類:4つの基本的パターン

​​​​​​​特許調査はその調査対象と目的によって、主に4つの種類に分けることができます。


① 出願前調査

自分たちが行なった発明について、特許として出願するかどうかや出願内容を検討する際に行う調査です。

その発明と同じようなアイデアが先に出願・登録されていないかを調査します。先行技術調査という呼び方もありますね。


② 侵害予防調査

自社で開発中、あるいはすでに販売している商品が他社の特許を侵害する可能性がないかを確かめる調査で、「クリアランス調査」や「FTO (Freedom To Operate) 調査」などとも呼ばれます。

ライバル企業の持っている特許の請求項に書かれた内容をそっくりそのまま自社製品に搭載してしまう、というようなトラブルが起こるリスクをなくすために、製品開発プロセスのなかで行われることの多い調査です。


③ 無効資料調査

自社の製造販売した商品が、他社の特許権を侵害していることを警告されてしまった場合は、いったいどうすれば良いのでしょうか?

考えられる手段はいくつかありますが、そのうちの1つは無効審判請求などを行うことで対象特許を無効にしてしまうことです。

無効資料調査とは、特許を無効化するための資料を探し出す調査です。

対象特許が審査された時点では見過ごされていた、新規性・進歩性などを否定するような先行技術(特許文献だけでなく、学術論文や技報、雑誌記事などの「非特許文献」も資料になります)が発見されれば、これが特許を無効にする材料となります。


※ 無効資料調査の具体的な方法については、以下の記事も参考になると思いますので、ぜひあわせてご覧ください!

  特許無効資料調査のスピードアップとコストダウンを実現する4つのテクニック | 株式会社ロジック・マイスター 膨大な時間と費用が掛かってしまうことの多い無効資料調査を効率的に進める4つの方法をご紹介します! 株式会社ロジック・マイスター


④ SDI調査 (技術動向調査)

毎週あるいは毎月発行される特許文献を継続的に収集し、特定領域に関する情報を定期的に入手するような調査は、「SDI (Selective Dissemination of Information、情報の選択的提供)調査」と呼ばれます。

同じような内容でも企業によっては「技術動向調査」、「定期調査」など色々な呼び方があると思いますが、これらは他の特許調査とは少し毛色が違うものになっています。

関心ある分野の最新技術動向や、競合他社がどんな研究開発に注力しているかなどを定期的にチェックしておきたい、というときに役立つものです。



特許調査の方法:どのようにして行うのか?

それでは、具体的にどうやって特許調査が進むのかを見ていきましょう。
調査業務そのものはいたってシンプルです。


調査対象を決める

前述の調査種類もふまえ、まずは「どんな目的で、どういった分野の特許を調査するのか」を決定します。


検索式を作成する

毎年、世界全体で300万件以上の特許が出願されていて、日本での出願だけに限っても30万件超となっています。

こうした出願によって公開される公報のなかから、目あての情報が書かれたものを探し出してくるのが特許調査という業務の基本になります。

当たり前ですが、世界中に大量に存在する特許文献を、1件1件しらみつぶしにチェックしていくわけにはいきません。たとえばWIPO(世界知的所有権機関)の特許検索システム「Patentscopeでは、2020年3月時点で8000万件以上が検索可能とされています。

そこで、調査対象と関連性の高い特許文献だけを効率よく取り出して中身を確認することができるように、「検索式」を作成します。

検索式を作るときには、IPC(国際分類)やFターム・FIといった分類記号を使うほか、必要に応じてキーワードも組み合わせ、特許検索データベースに入力します。

この結果のなかに必要な特許文献が入ってくるように、いろいろと検索条件を変えて試しながら絞り込んでいきます。


検索結果を精査する

検索式が決まったら、ヒットした1つ1つの特許文献を読み込んでいきます。

調査の目的によって、要約部分だけをさっと見ていくこともあれば、請求項(クレーム)、あるいは実施例までじっくり読み込んで情報を探すこともあります。

最終的に、調査目的を達成するために必要な情報を抽出できたら調査は完了です!




ちなみにご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、1990年代ごろまでは、特許調査は公報などの文献を手めくりで行っていました。

当時、調査の舞台は国立国会図書館と、大阪府立夕陽丘図書館(平成8年に閉館)でした。

図面が畳み込まれているものはいちいち開く必要があり、とても手間が掛かっていました。

古い書籍の匂いの中、何百冊という正本された特許公報を、指サックをつけた特許調査員が黙々と手めくりしていたものだった、と当社代表は回想しています。

そんな時代を経て、2000年ごろからPCの普及に伴い、国内外で様々な特許データベースが構築され安価に提供されるようになりました。

現在の特許調査では、データベースをいかに効率よく使いこなすかということに焦点が移り、AIなども活用した高度な検索技術が登場してきています。


まとめ

以上、特許調査にはじめて関わる方に知っておいてほしい情報を簡潔にまとめました。

これから特許調査業務に挑戦する、という方にもぜひご参考にしていただければと思います!


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ロジック・マイスター 編集部

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