南アフリカの知財制度の最新情報―David Cochrane弁護士
2018年10月25日(木)、南アフリカから来日されているSpoor&Fisher事務所のDavid Cochrane(デビッド・コクラン)弁護士にご来社いただきました!
Spoor & Fisherについて
Spoor & Fisherは、南アフリカ共和国の首都プレトリアを本拠地として南アフリカの4大知的財産弁護士事務所のひとつです。
それだけではなく広大なアフリカの各国にも拠点を持っており、アフリカ大陸全体で見ても最も大規模な知財事務所のひとつであるということです。
Spoor & FisherはARIPO(アフリカ広域知的財産機関。英語圏)やOAPI(アフリカ知的財産期間。フランス語圏)加盟国をはじめ、知財制度を有するアフリカの多くの国で代理人として活動しています。
その中でもCochraneさんは知財弁護士として20年以上のキャリアを持ち、製薬、化学、バイオといった分野の出願を主に担当している弁護士です。
また日本をはじめとするアジア各国にも、南アフリカに進出しているクライアントが多数いるということで、Cochraneさんは2年に1度のペースで来日しているそうです。
南アフリカの知財の現状
南アフリカでは2018年現在、特許審査は形式審査のみで、実体審査は行われていません。よってその有効性は、裁判所でのみ争われることになっています。
ただ、2020年か21年をめどに南アフリカ知的財産庁でも実体審査を開始するという目標が政府によって掲げられており、日本の特許庁審査官も招いて審査官の養成に取り組んでいるところだそうです。
南アフリカは、アフリカ諸国のなかでは最も多くの特許出願があるとCochraneさんは紹介していましたが、その南アフリカであってもまだまだ知財保護制度は未整備の部分も大きいという現状が示されました。
それでも日本企業がアフリカ諸国の中で最も多く進出しているのは南アフリカであり(参照:アフリカビジネスに関わる日本企業リスト2017年版)、アフリカ随一の経済力を持つ国であることは事実でしょう。
南アフリカ、さらにはアフリカ全体の知財制度の現状について知ることができ、大変貴重な機会となりました。
南アフリカでの特許・商標等の知財保護にご興味のある方は、ぜひお気軽に当社までお問い合わせください。
David Cochrane 弁護士