中国商標実務:3年不使用取消とは?制度と対策をご紹介
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中国の商標出願実務で、避けては通れない「不使用取消請求」。
登録商標が3年以上継続して使用されていない場合、不使用取消請求を商標局に請求する制度です。
近年は不使用取消請求の件数が増加傾向にあるようですが、主に以下の要因からになります。
目次[非表示]
- 1.投機的な商標出願の増加
- 2.防衛手段としての取消請求
- 3.審査の強化
- 3.1.証拠の種類
投機的な商標出願の増加
中国では、投機的な商標出願が多く、他者の商標を早期に押さえる目的や、売却目的での商標保有が多く見られます。
その結果、実際に使用されていない商標が増え、三年不使用取消のターゲットになる可能性が高まっています。
防衛手段としての取消請求
ブランド展開を行う企業にとって、競合他社や権利侵害のリスクを減らすために、既存の商標権の整理を目的として三年不使用取消請求を提起するケースが多いです。
これにより、他者が所有する使用されていない商標を取り消して市場に新たな商標を登録しやすくする意図があります。
審査の強化
中国商標局は近年、未使用の商標の整理を進めており、商標が適切に使用されていない場合には取消されやすい環境が整っています。
中国で商標の三年不使用取消が提起された場合は、当該商標が取り消されないようにするために、通知を受領してから2ヵ月以内に使用証拠、もしくは不使用についての正当な理由を提出する必要があります。
証拠の種類
- 商品やサービスに実際に使用された商標の写真や包装
- 取引書類(例えば請求書、契約書、納品書など)
- 広告や宣伝活動の証拠(雑誌やウェブサイト、展示会での使用、SNSでの宣伝など)
- 商標が表示された店舗や事務所の写真
これらの証拠は、該当する商標の使用が「商業的目的での真実の使用」であることを証明するものでなければなりません。
不使用による取消が決定した場合、もしその決定に不服があれば、取消決定の通知受領から15日以内に再審請求を提起することができます。
また、所有する商標権が、取り消されることに備えて、再度に商標出願をしておく場合もあります。
いずれにしても、適切な対応で、商標権を維持できる可能性が高まるため、不使用取消請求には、速やかに、かつ正確に対応を進めることが求められます。
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